昨日の夜

2007年9月20日 恋愛
昨夜ベットの↑でなぜか元カレと話し合った。

もう別れたはずなのに…。

散々罵倒され暴言をはかれ
体が弱いと言われ薬漬けだとも言われ
あげくの果てに朝時間通りに起こさないと叩かれた。

私の心はもう傷つきようが無いくらいボロボロだった。
涙なんて出ようハズもなかった。

きっかけはささいなこと。
私がいつ出て行くかを聞かれ、それに答える。
ただ布団は私が高額なお金を出して買ったのでそれはもって行くと主張したこと。
その強気な態度が彼を刺激したらしい。

「なんだそのケンカ腰の態度は!出て行け!」

言われた私はしばらく沈黙し

「わかりました。じゃあウィークリーマンションでも借りて後3日間で出て行きます」

その後は3日間でまとめる荷物をノートにこっそり書き出した。
もう二度と戻らないように。
もう後ろを向かないように。
もう心が傷つかないように。

7年間という長い時間を過ごした彼氏の背中をみた。

もう見ることはほとんどないだろう。
一緒に過ごした時間はほとんど私を叱ることに費やされてきた。
カレの友人の前で罵倒されたこともあった。

そんなことはもうない。
カレを通して築き上げてきた人間関係も切れるだろう。
弟のようにかわいがった後輩
本当の親友のように接してくれたカレの友人
私の体を労わってくれた上司
カレ以外の人間関係は離れがたいほど充実していた。

けれどもう私は出て行くしかない。
これ以上いたらもうどうしようも無くなる。
ここまで耐えたのだ。
涙をぬぐい、時には吐き、声を殺して泣いた。
頑張っても頑張っても労わってもらえない、大事にしてもらえない時を生きたのだ。
傷つけられても謝罪の一つもなく更に罵倒され、泣くことも傷ついたことも受け入れられることは何一つなかった。

そんなときモラハラという言葉を知った。
私はそのとき初めて被害者だということを知った。
そしてモラハラの加害者は治ることがほとんど無いということも知った。

この言葉を知って涙が出た、そういう人が多いと聞いた。
けれどそのときもう涙も枯れ果てて涙が一滴すらも出なかった。

私には心が無くなってしまったのだろうか…。
別にそれでも良かった。
傷ついても傷ついても労わってもらえずむしろウザがられる心などいらない。

ただそのときから私は別離について考えるようになった。

もういくら泣いても全くの無駄。治ることはない。
愛情がもらえるわけでもない。何かが保障されるわけでもない。

なら親のところに帰ろう。
せめて産んで育ててもらった母に恩返しがしたい。

そう考えたのは半年前からだった。



もう未練はない。
彼も別れたがっている。
ならばもうそれでいい。
しょうがない。


そう思い数日前いきなり荷物をまとめ実家に送った。
ダンボールの多さが歴史の長さを語っていた。



それに気づいた彼はそんなに傷ついた様子もなく普通に過ごしていた。





それで終わるはずだった。







けれど昨夜彼は泣いた。
彼が泣いたのを見たのはもう6年も前だ。
「いきなり荷物がなくなっていた。あれはきつい。」
「ずっと一緒に居たのに」
「お前は悲しくないのか?」

そう問われた。
泣いた彼を見て7年のときを思い久々に私も悲しくて泣いた。
「悲しいよ…。」

やっとの思いで言った。
「けれどしょうがない」
とも言った。

「親に何か会ったらここからでもすぐに行ったら良いじゃん」
「オレがここにおってって言ってるんだ」

カレらしい言い方だと思った。
「お前もここにおりたいんだろ?」

「うん」

「だったらおれや…。」
「父親嫌いなんだろ…?」

「うん」

あんなにここを出ようと決心したのにそれが早くも揺らいでしまった。またずっとここに居れたらどんなに幸せだろうとも思った。

週末は後輩を呼んで一緒にゲームをして笑いあって、
仕事先では先輩と一緒に笑いあって、
夜は文句を言いながらもご飯を作って、

こんなにも彼が私のことを思ってくれているのだから居たっていいじゃないか!
何回も自分に言った。

けれど


けれど


そこに私の傷ついた心はないのだろうか
そこにいたら私はもう傷つかずに済むのだろうか


もうこの彼から罵倒され貶され、自由を奪われることは無いのだろうか。

何回も「ここに居たい、このままずっと一緒にいたい」
言いそうになった。

けれど言い留まった。
ここまで覚悟を決めるのに5年かけた。
私はこの人に愛されてないと思い込むのにここまでかかった。
傷つかない心を持つために2年かかった。

もうどうしよもないのだ。

「実家に戻ったらもうそこから離れられないんだぞ。いいのか」

彼に言われた。

確かにそうだ。
もう離れられないかもしれない。

よくない。
よくないけど
将来のことを考えたら実家の近くの方が良い。
この人は私と将来ずっと共に居てくれるのだろうか。
ずっと手を握ってくれるのだろうか。

もう数年間手をつないで歩いたことのない私の手を…。

そんな保障はどこにもない。
よく人は神に誓うというけど神様なんて居ないのはもう10年前から知っている。

「実家に帰ります」

涙で何も見えない状態で彼に言った。

「それでいいんやな?」
「…うん。」
「ほんまやな?」
「……うん。」
「じゃあ、何でなくん?それだったらここにおれや、オレ良いって言いよるんぞ。」
「………うん。」

「…長かったなぁ、7年間」
「うん」

彼の腕枕で涙を流しながら寝た。

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